鍵に関する簡単な用語集を設けました。防犯対策などの参考にしてください。
- 円筒錠
- ドアノブにシリンダー錠を組み込んであり、鍵穴がノブの真ん中にある円形の錠前。室内側ノブのボタンを押すと室外側ノブが固定されて、ラッチボルト(空締めボルト)がロックされる。デッドボルト(かんぬき)はない。正式には「シリンドリカル・ロック(cylindrical lock)」。「モノロック(monolock)」ともいう。安価で施工しやすいが、防犯性は劣る。デッドボルト付きのモノロックもある。
- カム送り開錠 とは?(バイパス開錠)
- 警察庁が平成14年9月に公表した新たな侵入手口のひとつ。美和ロック他3社の錠前に特有の弱点。シリンダーを迂回して直接錠ケース内部に働きかかけてデッドボルトを作動させ開錠する方法。CP-C認定シリンダーであっても関係なく容易に開錠されてしまう危険な手口。カラーのスペーサー対策は真鍮無垢製には有効であるが、プレス製のものはつぶされる危険性あり。
- 開錠・開錠とは
- 純正キーや合鍵を使ってあける行為が「開錠」、ピッキングなどの不正行為で錠を解く行為を「開錠」、ドリルやその他の工具で錠を破壊して開ける行為を「破錠」(破壊開錠)という
- 鍵違い数とは
- ディスクタンブラーやピンタンブラーの種類や数などの組み合わせによってできるキーの組み合わせ数。鍵違いすうが多いのと耐ピッキング性能とは必ずしも一致しない。熟練者はピッキングの際に、ピンやディスクタンブラーを個々に決めて、いわば鍵のように高さを決めるので、何兆通り組み合わせがあろうとあまり関係ない。
- クレセント錠
- アルミサッシなどの引き違い窓に付いたカギ(錠)のこと。2つの金物からなりたつ。1つは、フックの形をした部分をもつ外側の扉に固定されたもの。もう1 つは、把手の付いた半円盤に突起を設けたもので、内側の扉に固定される。後者の半円盤を回転させて、フックに引っかけて締めつけることで窓が開かないようになる。「crescent」は英語で三日月のこと。回転させる半円盤の形が三日月に似ていることからこう呼ばれる。
- シリンダー
- 鍵穴周辺の円筒部分
- シリンダー錠
- 鍵を用いて施開錠する機構のひとつで、円筒形(cylinder)をしている。錠ケースに固定する外筒と、可動式の内筒が入れ子状になっており、タンブラー(障害子)の動きによって内筒が回転することで、カムを介してデッドボルトを動かして施開錠するしくみ。タンブラーの形状や作動原理によって、ピンタンブラー方式、ディスクタンブラー方式、ロータリーディスクタンブラー方式、マグネチックタンブラー方式などの種類がある。
- サムターン回し
- ドアの隙間やドアスコープ、ポストなどから針金のような工具をドア内部に侵入させてサムターン(かんぬきを動作させる内側のつまみ部分)を直接まわす手口。ドアに穴を開けてサムターンを狙う手口も急増している。
- CP-C認定制度
- 財団法人 全国防犯協会連合会が平成12年7月から始めた耐ピッキング性能を評価する制度。シリンダーだけを対象に耐ピッキング性能を評価する制度であって、耐破壊性能には及ばない。認定の有効期間は認定を受けた日から3年間。「CP-C」はCrime Prevention-Cylinder:防犯シリンダーの頭文字
- ディスクシリンダー
- キーを差し込むことによって、内筒と外筒にまたがったディスク(金属板製、ディスクタンブラーともいう)を内筒内に引っ込めキーを回すことができる構造を持ったシリンダー。
- ディンプルキー
- 最近のピンシリンダー用のキーとして用いられているもの。キーにギザギザがなく、エクボのような穴が掘られたようなキーを挿す。一般に防犯性が高い鍵に採用されている。
- ディスクタンブラー
- シリンダー錠の開閉機構のひとつで、タンブラー(障害子)を薄い板状のディスクにしたもの。ディスク一枚ごとに位置を変えた鍵を通す穴を設けてあり、ロック時はディスクの上端か下端がシリンダーの外筒に突き出しているため、内筒が動かない。鍵を差し込むと、刻みの深さに応じてディスクが上下にスライドすることで内筒に収まり、回転できるようになる。ピンタンブラーに比べて鍵違いを大幅に増やすことができる。
- ドリリング
- ドリルを使って破壊開錠を行うこと。
- デッドボルト
- かんぬき。Dead bolt。キーの操作によって錠本体から繰り出したり収めたりする本締まり機構用のボルト。通常は開き戸に付けられる先端部分が四角いタイプを指す。デッドボルトだけを用いた錠を「本締まり錠(dead lock)」という。把手や引き手が錠とは別に付けられる戸、点検口や倉庫などで使われる。引き戸用の錠に組み込まれる鎌状のタイプも本締まり錠の一つで、「鎌錠(hook lock)」という。
- 電気錠
- カギを遠隔操作できるように、電気的に施開錠をする機構を組み込んだロックシステムのこと。錠を設置した扉とオンラインで結ばれた操作盤のボタンを押すと、作動電流が瞬時に送られて電気錠を作動させる。いわゆるオートロックが代表的。非接触式、カード式、テンキー式、リモコン式などのバリエーションがある。離れた場所から施開錠状態を確認できるため、各種のセンサーを組み合わせたセキュリティシステムに応用されている。
- ディンプルシリンダー方式
- シリンダー錠の開閉機構のひとつ。ピンタンブラー方式を発展させた高精度のシリンダーで、複数の角度から多数のピンタンブラーを配したもの。鍵の表面に特殊な形状をしたタンブラーに対応したくぼみ(dimple)が設けられている。鍵は表裏のないリバーシブル・キーが一般的になっており、すり鉢状ガイド穴との併用で操作性も向上している。製造メーカー以外での鍵の複製が難しく、ピッキングによる不正開錠にもきわめて強い。
- ピッキング
- カギではなく針金に似た工具(主にピックとテンション)を利用してシリンダー錠を開ける技術のこと。本来は錠前技師がしようしていた技術。最近ではマスコミでもあまり騒がれないが、犯罪件数は増えている。
- 破錠(破壊開錠)
- 鍵や、工具をつかってカギを壊さないで開ける方法(開錠・開錠)に対して、ドリルなどで錠を破壊して開ける行為のことをいう。近年は高性能かつ強硬な錠が増えたため技術の高い鍵屋さんでも破壊しなければ開けられない場合が多い
- ピンシリンダー
- 内筒、外筒を上ピン及び下ピンによって制御し、キーを挿入することによって上ピンを外筒に引っ込めてキーを回すことができる構造を持ったシリンダー。構造体自体が金属の塊であるので破壊開錠にも非常に頑丈。
- ピックガン
- ピンシリンダー専用の開錠治具です。通常、ピンシリンダーのピッキングはピックとテンションを使用して行いますが、ディスクタンブラーに比べ、その技術は難しく開錠に時間がかかります。ピックガンを使えばほとんど技術要らずでピンタンブラー錠を開ける事が出来ます。
- もぎ取り
- シリンダーを強引にもぎ取って開錠してしまう手口です。ドアノブにカギ穴がついている円筒錠は勝手口に使われていることが多いですが、このドアノブはレンチでひねるとはずれてしまい、防犯上非常に問題があります。補助錠を取り付けることをおすすめします。